『コンセプトは最高だけど。。。』
夏に相応しいラブゾング集というコンセプトは、数ある編集ベスト盤の中でも個人的に興味を引いた。これはこれでキャピトルの商魂の逞しさを誉めずにはいられない。
音源的にも6曲が新たなステレオミックスで収録されている(TRK1、2、11?14)。特にTRK2には聴いた事の無い30秒弱の美しい鍵盤楽器主導のイントロが追加されているし、聴いたときに腰を抜かすくらい驚いた。
ここまでは5つ星でもいいくらいだ。
しかし、選曲のコンセプトがブレている。キャピトル時代に限定するわけでなく(ブラザー時代のTRK16がある)、全曲ステレオミックスでもなく(TRK17は従来通りのモノラル)、バラード調ではないアップビートの曲もある(TRK8)といった妙な不整合感がある。個人的にはキャピトル時代の全盛期音源に集中し、ステレオミックスのみで構成してれば最高だったように思う。
また名作「トゥデイ」収録曲が続々とステレオ化されるのは歓迎だが、それなら一括してアルバムとして出して欲しい。なんだか小出しにされている気分で、キャピトルの商魂があざとく感じられもする。
しかし、ヘッドフォンで聴くとステレオミックスの分離のよさで思わぬ音を発見できたりするのが本当に楽しい。勿論、夏のドライブのBGMにも最高です!